2024-05-07

遠きにありて想う

前夜

チカパシと別れ、遂に鶴見と落ち合う予定の大泊へと到着した一行は「樺太先遣隊」とし...…【続きを読む】
遠きにありて想う

一方その頃、登別にて

マッチを擦る乾いた音と共に男の顔が一瞬照らし出される。その顔は憂鬱そうな顔をして...…【続きを読む】
遠きにありて想う

二人きりの独白

隣で物も言わず(言えず)佇むヴァシリには何を言って良いのか分からずにただ口を噤ん...…【続きを読む】
遠きにありて想う

思い出の残滓

漸く双方の誤解が解けたのか、全員で集まってロシアからの刺客、もといヴァシリに事の...…【続きを読む】
遠きにありて想う

何も知らなかった頃

あたたかな何かに包まれて、の意識は微睡みの中を揺蕩っていた。左腕が時折熱く脈打つ...…【続きを読む】
遠きにありて想う

止め処無く溢れる

遂に国境を越えた一行は敷香にて必要な物資を買い出すために各方面に散っていた。も随...…【続きを読む】
遠きにありて想う

残された言葉

ぐったりと、は寝台に寄り掛かって深く息を吸うだけだった。疲弊した精神は肉体を蝕み...…【続きを読む】
遠きにありて想う

さよなら

それからどうなったのか、は実のところよく覚えていなかった。ただ、いつの間にかキロ...…【続きを読む】
遠きにありて想う

それは遠い日の事

じっと、遠くから眺めていた。親とはどういうものなのか、子とはなんたるものなのか。...…【続きを読む】
遠きにありて想う

そして彼女は

大きく負傷した谷垣の姿を見て唇を震わせたであったが、すぐに簡易的な治療を始める。...…【続きを読む】