それからも、旦那さまは変わらなかった。私を腕に抱いて眠り、夜毎日毎甲斐甲斐しく私の世話をした。それでも、私は少しずつ転がるように悪くなっていった。
支えられても起きていられる時間が、随分と短くなった。病は目まで侵しているのだろうか。少しずつ鮮明な景色が失われていく。生ける屍になるのにもう、時間は無いような気がした。その前に出来る事をしようと思った。
「手紙を書く……?」
「そう、です。紙とペンをかして、いただけないでしょうか」
喘鳴が激しい。だから言葉では、もう伝えられない。せめて、手紙で。あの人に、この想いを伝えたい。
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